急性根尖性歯周炎 3
慢性根尖性肉芽性歯周炎
慢性根尖性肉芽性歯周炎は、慢性根尖性化膿性歯周炎の膿瘍を取り囲む肉芽組織が増殖し、膿瘍を吸収したものです。これは、歯根肉芽腫と、歯根嚢胞に区別されます。
1. 歯根肉芽腫
歯根肉芽腫では、根尖部に限局性の肉芽組織が認められます(図1)。歯槽骨は吸収されているため、レントゲン的には透過像が現れます。
2. 歯根嚢胞
歯根嚢胞は、根尖部の肉芽組織内に嚢胞がみられるものです。嚢胞璧の内面は重層扁平上皮によって被覆されています。嚢胞内には、漿液性あるいは粘液性の液を入れ、その中にコレステリン結晶、剥離細胞などが認められます。歯槽骨は吸収されているため、レントゲン的には透過像がみられます(図2)。
図1 歯根肉芽腫の肉眼写真
図2 歯根嚢胞のレントゲン写真。
上顎左側切歯の根尖部(矢印)に比較的境界の明瞭なX線透過像がみられます。