歯の発育
歯の形成は出生後も引き続き行われます。
乳歯では、歯冠の形成は乳前歯で生後2ヵ月、形成が最も遅い第2乳臼歯では、1才から1才半頃に終了します。乳歯の歯質は大体この頃までに決まります。その後、歯根の完成は乳前歯で1才半、乳臼歯で3才頃です。永久歯の場合、一番早く形成の始まる第1大臼歯が、出生と同時に歯胚に石灰化がおこり始め、歯冠完成は2才半です。最も遅く形成されるのが第2大臼歯で、歯冠形成の完了するのが8才頃です。歯根の完成は、第1大臼歯で10才、第2大臼歯で15才頃です。
このように、歯の形成にとって妊娠中(胎児期)、乳児期(誕生-1才)、幼児期(1才-小学校就学)が大切な時期となります。このような歯づくりの知識をふまえた、妊娠中および乳幼児期の注意点をあげますと、
- 栄養や健康状態が歯の形成に影響を与えます。
- 水銀やカドミウム、PCB、大量のフッ素などは出来の悪い歯をつくります。大量のフッ素による斑状歯はよく知られています。
- 出産時に難産や血液型の不適合などでトラブルがあると、歯づくりがそこでとどこおって、歯にミゾとなって残ります。
石灰化不良線(永久歯)
永久歯の形成過程で体調の変化のために歯の形成に障害がおきたものです。
大量のフッ素による斑状歯(永久歯)
エナメル質形成不全。永久歯の形成過程で大量のフッ素を取りこんだために、歯の形成に障害がおきたものです。