急性根尖性歯周炎 1
急性根尖性歯周炎は、通常、虫歯から化膿性歯髄炎または歯髄壊疽をおこした際に、感染が根尖孔をつうじて根尖部歯周組織に及んだ場合に生じます。
初期では、根尖部歯根膜に充血、炎症性細胞の浸潤、漿液性惨出液などが現われます(急性根尖性漿液性歯周炎)が、早い経過で膿瘍を形成し、急性根尖性化膿性歯周炎の形をとるようになります。
さらに放置されますと、根尖部の化膿性炎は顎骨骨髄内に波及、拡大し、急性化膿性骨髄炎を生じ、骨膜下膿瘍を形成し、骨膜を破って歯肉や顔面に達します。
初期では、歯が「うく」程度ですが、化膿性変化が強くなりますと、激しく痛み、歯が動揺し、腫れてきます。全身症状として発熱することもあります。
右下顎第1大臼歯の急性根尖性歯周炎から、さらに顎骨骨髄炎を生じたもの。顔面に腫脹がみられます。
右下顎第1大臼歯の急性根尖性歯周炎。根尖部付近の粘膜に腫脹がみられます。