歯髄炎 2
2. 急性化膿性歯髄炎
急性単純性歯髄炎がさらに進行して、化膿性炎になったものです。臨床では激しい歯痛を伴い、もっとも患者に苦痛を与えます。
(1)臨床所見:
虫歯の程度はC3で、かなり深在性で軟化象牙質が多量にみられます。疼痛はきわめて特徴的で、激烈な自発痛を伴います。冷熱反応は初期には冷反応が敏感ですが、晩期になると温反応が著明となります。
(2)顕微鏡的所見:
化膿性炎の特徴である多数の白血球の浸潤がみられます。病巣付近の血管には高度の拡張と充血、出血がみられます。歯髄細胞、象牙芽細胞は萎縮、変性に陥り、やがて消失します。化膿病巣部での組織が融解、破壊と膿汁の産生により膿瘍の形成をみることがあります。