単純疱疹(口唇疱疹)

口唇(皮膚粘膜移行部)を中心とした水疱形成を特徴とするウイルス感染症です。
単純疱疹ウイルスが宿主に潜伏、持続して感染し、発熱や胃腸障害、疲労、日光、寒冷などによって誘発され発症します。初感染症例では、前号で述べましたように、急性疱疹性歯肉口内炎として激しい症状を示すことがあります。
症状は、口唇や口角部の粘膜、皮膚、粘膜皮膚移行部に灼熱感、疼痛で始まり、炎症性の紅斑で囲まれた小水疱が小集団で現れます。その後水疱は破れて、あとにびらんを生じ、やがて表面は痂皮によっておおわれ、約1週間で治癒します。初感染時には口唇疱疹に激しい口内炎を併発して重症感を示すことがあります(前号、急性疱疹性歯肉口内炎)。

単純疱疹(口唇疱疹)
下口唇に水疱性の病変、痂皮形成がみられます。
単純疱疹(口唇疱疹)
上下口唇に水疱性の病変、痂皮形成がみられます。

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