歯髄炎 4

4. 慢性増殖性歯髄炎(歯髄ポリープ)

若年者の歯や乳歯の歯髄組織のように歯髄の生活力が旺盛な場合、潰瘍性歯髄炎のある歯髄に肉芽組織がポリープ状に著しく増殖したものです。

(1)臨床所見:
歯髄組織がポリープ状(茸状)に増殖し、虫歯の窩を充満しています。器械的刺激により容易に出血しますが、疼痛はみられません。

(2)顕微鏡的所見:
ポリープ状の肉芽組織は外形上、頭、頸、柄の3つの部分に区別できます。肉芽組織の最外層は、白血球やリンパ球の強い浸潤のある層、次は毛細血管と線維芽細胞の増殖のみられる肉芽組織の層、さらに深部にいくと、線維性組織の層となります。肉芽組織の表面は、時として重層扁平上皮によっておおわれていることがあります。

歯髄炎

歯髄ポリープの肉眼所見
上顎第1大臼歯の歯髄腔は増殖した肉芽組織で満たされています。

歯髄炎

歯髄ポリープの顕微鏡像
表層は線維素や白血球からなる滲出物が付着し、それにつづいて幼若肉芽組織層、線維化した肉芽組織層が認められます。

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